2025年9月 Ska vi fika? (スカ ヴィ フィーカ?)(第2回)
葉上 千紘 (ようじょう ちひろ)
『スウェーデンに暮らす人々って?』
Hej (こんにちは)!スウェーデンより二回目のコラムを書かせていただきます。今回はスウェーデンの多文化の状況について少しお話させていただきます。
2024年時点で総人口の約20%にあたる220万人ほどの外国生まれの人々が暮らしています(スウェーデン統計局2025)。人々の生まれた国を見ると、スウェーデンに次いで多いのはシリア、三番目はイラク、その後フィンランド、ポーランドが続きます。また外国に背景のある人(本人が外国生まれ、もしくはスウェーデン国内で生まれた人で外国生まれの両親をもつ人)は290万人を超えます。スウェーデンにこれほど多くの外国生まれ/外国に背景のある人が暮らす背景には、スウェーデンの移民政策が関係しています。
スウェーデンは北欧諸国の中でも特に移民・難民受け入れに寛容な政策をとってきたことで知られます。移民送り出し国であったスウェーデンが受け入れ国に転じたのは第二次大戦期のことです。戦後は、東ヨーロッパ諸国を中心に仕事を求めて多くの人がやってきました。80年代以降は戦争などで難民としてスウェーデンにやってくる人々が増加します。その後は、ユーゴスラビア紛争、イラク戦争、シリア内戦など戦時下や政情が不安定な地域からの難民を受け入れてきました。2024年はウクライナから移り住む人が最も多くなりました。
移民・難民受け入れの長い歴史を持つスウェーデン。ただ、移民・難民受け入れに関する市民の反応は多様で、移民政策は国政選挙でも大きな争点になっています。では、スウェーデンに暮らす外国にルーツを持つ人々はどのような生活を送り、どう感じているのか。今後は私がスウェーデン滞在中に出会った、外国にルーツを持つ人々との交流から見えてきたことをお話しできればと思います。Tack så mycket(ありがとうございました)!

葉上 千紘 (ようじょう ちひろ)
協会事業(こども母語・サンプレイスのコーディネーター、マイクロアグレッション啓発パンフレット作成チーム)に参加していた葉上千紘さんが、2025年4月から研究活動のためにスウェーデンに留学をしています。現地から留学体験談をお届けします!